目 次
建物の外観をより良くするために必要なこととは?
外壁塗装は10年に1度のこと、外壁選びに失敗したくありませんよね。
それには、屋根と壁の色の組み合わせが重要になってきます。
そもそも屋根の色とマッチする外壁の色は、ある程度組み合わせが決まっています。
どのような色の組み合わせが良いのか、デザイン性の高い色については、業者と相談することが可能です。
塗装完了後、色見本で確認した色と、外壁に塗装した色が違って見えるといった問題が発生しないように、じっくり見極めて配色を決めましょう。
この記事では、屋根と外壁の色の組み合わせ、色選びで失敗しないためのコツなどをご紹介いたします。
瓦の種類
瓦屋根は、ベージュや茶色が多く取り入れられる洋瓦と、黒や青が多く取り入れられる和瓦の2つに分かれます。


洋瓦であれば、外壁は白やベージュなどの明るい色と、和瓦であれば、外壁を明るい色にすることで爽やかな印象になり、一方、暗い色にすることで高級感を演出できます。
屋根と外壁の色の組み合わせ方
暗い色の屋根の場合
黒やグレーのような瓦屋根には、どのような外壁でも合わせられます。
明るい色と合わせることでスタイリッシュになり、暗めの色と合わせることで高級感が出せます。
おすすめの色は、白、ベージュ、グレーです。
明るい色の屋根の場合
赤やオレンジのような瓦屋根に合う外壁の色は、白、ベージュ、茶色です。
また、屋根によっては、赤よりのベージュや茶色も同様に合います。
外観をお洒落にまとめるには
色の黄金比
実は、家の外観をおしゃれにする色の法則があります。
大部分を占めるベースカラー(外壁色)を70%、建物の印象を決めるメインカラー(屋根や塗り分けをする場合の外壁色)を25%、メインカラーを引き立てるアクセントカラー(車庫、テラス、ドアの色)を5%とする考え方です。
どの様に面積比率を決めるべきかですが、屋根を基準に考えると決めやすいです。厳密には、70:25:5に必ずしもしなければいけない訳ではなく、大まかな割合としてイメージしておきましょう。
- 屋根が大きく、下からよく見える場合
ベースカラーとして外壁を70%、メインカラーとして屋根を25%、アクセントカラーとして窓サッシ、玄関ドアを5%として考えると、まとまりやすくなります。 - 屋根に傾斜が少なく、下からほとんど見えない場合
外壁をツートンカラーにし、ベースカラーを70%とメインカラーを25%で配分をし、アクセントカラーとして窓サッシ、玄関ドアを5%として考えると、まとまりやすいです。
比率を考えて配色を決めることで、理想の色選びに近付けられます。
より高級感を出したい場合は、単色ではなく石調仕上げに見える多彩模様塗料などが良いでしょう。そうすることで、建物が大きく、立体的に見えます。
また、より個性的に仕上げたい場合は、バイカラー(2色使い)を検討すると良いでしょう。縦縞は洗練された印象、横縞は落ち着いた印象を与えます。
窓サッシの色
色の黄金比と同様に重要な意味を持つのが、窓サッシです。
建物の色を決める際は、是非、窓サッシの色に合わせることをおすすめします。何故なら、窓サッシは塗装では色を変えられないことが多く、窓サッシに外壁や屋根の色が合っていないと、家全体の見栄えに多大に影響します。
窓サッシの色に合うかどうかを意識して、色選びを行いましょう。
- 黒のサッシ
黒のサッシは、家の全体を趣のある表情でスッキリとまとめ、どの様な家もスタイリッシュな印象にする魅力があります。
【黒系の屋根×モノトーン系の外壁】
黒、グレー、白のモノトーンの組み合わせは◎。黒サッシがアクセントとなり、シャープでモダンな印象に。木部分との相性も抜群です。また、白との組み合わせにより、庭の緑を引き立てます。
【黒系の屋根×ブラウン系の外壁】
黒と落ち着きのあるブラウンとの組み合わせは、上品な家に合います。黒いサッシは、白とブラウンのどちらともうまく調和します。 - 白のサッシ
白のサッシは、優しい雰囲気にさせるだけでなく、どの様な色にも合わせられます。ニュアンスカラーとは、はっきりとした鮮やかな色に、グレーやベージュを混ぜ、少し彩度を抑えたような色味のことを言いますが、ニュアンスカラーにも合います。
【グレー系の屋根×ダークグレーの外壁】
モノトーンは、アクセントに明るい色を持って来ることで、映えます。
【グレー系の屋根×ブラウンの外壁】
ダークブラウンの外壁は、白のサッシと合わせることで重くなり過ぎず、温もりを感じさせます。
【グレー系の屋根×ネイビーの外壁】
ネイビーの外壁は、上品で知的な印象を与えます。
【グレー系の屋根×パープルの外壁】
パープル、ラベンダーの外壁は、優しい雰囲気を与えます。濃い外壁色ともマッチします。
【グレー系の屋根×グリーンの外壁】
モダンな家でも、グリーンのニュアンスカラーの外壁は、キュートな印象を与えます。
【グレー系の屋根×赤の外壁】
赤の外壁は、全体のカラーバランスを工夫することで、個性的でおしゃれな外観になります。周りの外観との調和が心配な方は、落ち着きのあるブラウン寄りの赤や、ツートンでクリームと合わせると悪目立ちしにくいです。白のサッシと赤の外壁との組み合わせは、カントリー調に仕上がります。
【グレー系の屋根×ピンクの外壁】
ピンクの外壁は、主張し過ぎず、濃い緑と合います。
【グレー系の屋根×イエローの外壁】
イエローの外壁は、爽やかで明るい印象になり、ニュアンスカラーは、タイルやレンガなどとの相性も良いです。
【ブラウン系の屋根×イエローの外壁】
イエローの外壁は、いきいきとした印象を与え、白のサッシとのバランスにより、柔らかで落ち着きのある印象でまとまりやすくなります。
【ブラウン系の屋根×ブラウンの外壁】
白のサッシがアクセントとなり、ブラウンの温かさを引き立てます。
【緑系の屋根×アイボリーの外壁】
白サッシと外壁とを近い色でまとめることで、屋根とサッシの縁取りの鮮やかな色が主役となります。
【緑系の屋根×イエロー系の外壁】
クリームよりの明るめのイエローの外壁とモスグリーンの屋根は、目立ちすぎず、バランスの取れた印象になります。白サッシが爽やかさを演出します。
【赤系の屋根×クリーム色の外壁】
アイボリー、クリーム、黄色の外壁と赤、オレンジ、緑の屋根は、南欧風の雰囲気になります。屋根を引き立てるように、優しい色合いの外壁色を組み合わせるのがポイントです。
【オレンジ系の屋根×アイボリーの外壁】
どちらも優しい色を持ってくることで、白いサッシも邪魔せず、おしゃれに仕上がります。
【オレンジ系の屋根×クリーム色の外壁】
馴染みの良いクリームの外壁と白サッシとの組み合わせは、オレンジの屋根を引き立てます。 - 茶色のサッシ
木や土の色をイメージさせる茶色のサッシは、自然界にある色との組み合わせがおすすめ。家に温もりや安心感を与えてくれます。特に、伝統的な和風の家や、落ち着いた洋風の家に合わせやすいです。
【黒系の屋根×ブラウン、ベージュ系の外壁】
ブラウン、ベージュ系の外壁は、黒の屋根と合わせることで、和モダンな家にしっくりきます。
【茶系の屋根×茶系の外壁】
全体を同系色でまとめることで、温かみが増し、品のある印象になります。
【茶系の屋根×アイボリーの外壁】
漆喰の外壁と茶系の屋根とサッシとの組み合わせは、家の魅力を最大限に引き立たせます。
【緑系の屋根×アイボリーの外壁】
茶、アイボリーは、自然界に存在する色で、グリーンとの相性はバッチリです。 - グレーやシルバーのサッシ
グレーやシルバーのサッシは、人気色です。スタイリッシュでモダンな雰囲気を醸し出します。暖色系よりは、寒色系の色やモノトーンとの組み合わせがよく合います。白を取り入れたい場合は、クリーム系よりすっきりとしたオフホワイトの外壁の方が、より洗練された印象を与えます。
【黒、グレー系の屋根×グレーの外壁】
ダークグレーの外壁とシルバーのサッシとの組み合わせは、近代的でかっこいい雰囲気になり、木との相性も良いです。
【黒、グレー系の屋根×青系の外壁】
寒色系の外壁なら、洋風の家でも上品で爽やかに仕上がります。
【黒、グレー系の屋根×オフホワイトの外壁】
オフホワイトとダークグレーの組み合わせは、全体的にモノトーンの印象になります。
【黒、グレー系の屋根×ブルー、オフホワイトの外壁】
オフホワイトの外壁の一部にブルー系の色の組み合わせは、よく合います。
庭の木々など緑に合う配色
基本的に、緑に合わない色味はなく、白、アイボリー、茶、赤などの外壁色が合います。
緑を馴染ませたい場合は、自然界に多く存在するイエローベースの色味であるベージュなどを選択し、建物を目立たせたい場合は、自然界にないモダンな青みの強い、真っ白などを選択すると良いでしょう。
色選択を失敗しないためには
失敗を避けるために、色の面積効果について知っておかなければなりません。
色の面積効果とは、面積が大きくなればなるほど明るい色はより明るくなり、面積が大きくなればなるほど暗い色はより暗くなる効果です。
外壁の色を選ぶ際には、カタログの色見本を参考にすることが多いでしょう。しかし、見本は実際の面積の1%ほどで、本物の外壁とは全く違った見え方になります。
色の面積効果を考慮し、できるだけ実物に近い建物を参考にしましょう。色の組み合わせが決定したら、類似する他の家を探してみることをおすすめします。そうすることで、より現実に近付けることができ、築年数に伴い、劣化時の外観までもある程度把握することができます。
近隣の家々との相性を考える
色選択においては、周囲の家と調和が取れるかどうかも考慮する必要があります。何故なら、周囲に溶け込まない色を選択したとすると、後々、景観に関することで近隣とトラブルに発展する可能性があるためです。また、観光地など地域によっては、景観保護法から使用可能な色がすでに決められている場合があります。念のため、事前に居住地の法的制限を確認しておきましょう。
日の当たり方によって見え方が異なる
色の見え方は、表面に反射する光の量で変わります。そのため、同じ色でも、日のあたる部分と影の部分、晴れの日と曇りの日のバランスで、建物の外観の印象が異なります。施工事例などを参考にしたり、自身の家を時間帯毎にチェックしたりし、日の当たり方による色の変化を必ず確認しましょう。そうすることで、後で、イメージと違うといった失敗を防ぐことができます。
日の当たり方例1



日の当たり方例2



また、色の見え方は、日の当たり方で違って見えるだけでなく、色により劣化する期間が異なります。
赤や黄は色が落ちやすく、黒や白や青は色落ちしにくいため、赤と青の組み合わせにしてしまうと劣化具合に差が出ます。
濃い色は劣化すると目立ちやすいため、黒系と白系のように濃淡の差が激しい組み合わせは、劣化が目立つと言えます。
まとめ
屋根と外壁の色は、ただ単にそれぞれ好きな色を選択するのではなく、どちらか一方を決めたらその色と相性の良い色を選択するようにしましょう。
また、色選びの失敗を避けるために、色の面積効果を考慮して、実物大の建物を参考にすると良いです。