目 次
なぜ、屋根工事において屋根材の重量が大切か?
瓦屋根の重量は屋根瓦だけでなく土も加算されるのでとても屋根は重くなります。
地震、台風の多い日本の自然的要素に沿った屋根の検討が大切
建物は、地震、台風、豪雨、水害、土砂災害、竜巻、雪害、季節ごとの気温の変化などの自然的要素の影響を受けます。そのため、それぞれに沿った性能を見極め、バランスよく葺き替えを行うことが必要になります。
日本は地震大国と呼ばれていますが、地震に強い建物とは、耐震性に優れているかどうかによります。
軽量な屋根は、耐震性があると言われています。
一方、瓦屋根などの重量のある屋根は、地震発生時、倒壊のリスクが高くなります。
屋根が重ければ、重心が高くなり、地震の揺れが大きくなります。
高い建物に住んでいる人ほど、揺れの強さを感じるのはこのためです。
地震の際、建物に掛かる大きさは「建物の重量×地震の加速度(gal)」で計算されます。
建物が重いほど、大きな力が建物に掛かります。
屋根材は、重量により3分類される
屋根材 | 重量 | 建築基準による分類 |
---|---|---|
土葺き屋根 | 約60kg/㎡ | 非常に重い屋根 |
瓦屋根/セメント瓦 | 約42kg/㎡ | 重い屋根 |
ルーガ | 約20kg/㎡ | 軽い屋根 お勧め |
スレート | 約20kg/㎡ | 軽い屋根 |
アスファルトシングル | 約12kg/㎡ | 軽い屋根 |
金属屋根 | 約6kg/㎡ | 軽い屋根 お勧め |
建築基準法では、屋根材の重量により「非常に重い屋根」「重い屋根」「軽い屋根」の3つに分類されます。
区分された計数に準じ、必要な壁の量を計算します。
つまり、重い屋根の場合は、壁数を増やして必要な耐震性を確保できるように、設計する必要があります。このことから、一概には、重い屋根に区分されている屋根瓦の建物が地震に弱いとは言えず、必要な耐震性を確保できるように、建物補強されていれば、倒壊しにくい建物にすることができると言えます。
逆に、軽い屋根に区分されている屋根の建物でも、耐震性が確保されている設計でなければ、建物の倒壊のリスクは高くなります。
この他、基礎を補強する、柱や梁に金具を取り付けることで耐震性をさらに高められます。
金属屋根は、重い屋根に分類に属されている瓦屋根の1/10の重量で、最も軽量で、耐震に優れています。瓦屋根から金属屋根に葺き替えることで、屋根の重量は1/3以下になります。
また万が一、地震が発生した場合、金属屋根は1枚当たりが長尺で軽く、簡単に剥がせて移動させることが可能です。
また、2022年1月、建築基準法により義務化されたガイドライン工法では、瓦を釘やシリコンで固定する設計が採用されており、今まで災害時に崩れやすいイメージであった瓦屋根の取り付けがより強固なものになっています。
注意が必要なのは、旧耐震基準の建物
名称 | 年代 | 耐震設計 |
旧耐震基準 | 1980年以前 | 震度5程度の地震で倒壊しない耐震基準 |
新耐震基準 | 1981年~ | 震度6程度の地震で倒壊しない耐震基準 |
2000年基準 | 2000年~ | 震度7の地震被害をきっかけ(阪神淡路大震災)にした耐震基準 |
戸建て住宅の耐震基準は、「旧耐震基準」、「新耐震基準」、「2000年基準」の3つに分類されます。
耐震設計法は、日本で大規模地震が発生するのをきっかけに度々見直しが図られています。
抜本的な改革があったのは、1978年の宮城県沖地震後で、1981年に施行された「新耐震設計基準」(新耐震)は大きな節目になっています。
現在では1981年以前の基準を「旧耐震(震度5強程度の中規模地震)」、以後の設計法を「新耐震(震度6強〜7程度の大規模地震を想定)」と呼びます。それまでの「旧耐震」では、震度5程度の地震で倒壊・崩壊に耐えられることが耐震基準で、「新耐震」では、建物の倒壊等を回避するだけでなく、建物内にいる人の命を守ることにも重きを置いています。
1995年に発生した阪神淡路大震災では、多くの建物が崩壊し、その被害の調査結果を踏まえ、2000年に建築基準法が改正されました。
地盤調査をしたり、柱と梁に金物取付をしたりするようになったのもこの頃からです。
具体的に言えば、旧耐震基準の建物は、昭和56(1981)年5月31日以前の建物が該当します。
旧耐震基準は、旧耐震基準の建物は屋根の重さだけでなく、柱や土台などの金物接合、筋交の設置など建物全体の補強が必要です。
現在の最新は2000年基準ですが、2025年には、4号特例と呼ばれる木造建築物の構造計算や壁量計算などの減免処置が一部廃止されるなど、地震発生や時代と共に基準は変化していきます。
築20年以上の建物は葺き替え カバー工法がお勧めです。
ルーフィングの耐用年数は、約20年です。
お住いの屋根が年数経過しているようでしたら、メンテナンスを是非ご検討ください。
屋根は、日頃から太陽光や風雨にさらされ、年数が経過するにつれ、劣化していきます。屋根材の新旧に関係なく、ルーフィングが古い場合、また、傷んだ屋根は、雨漏りの原因ともなり、家の寿命を縮める原因になります。
にこにこリフォームがお勧めする屋根材をご紹介します。
ルーガ(Rooga)
ケイミュー屋根材ルーガは、一見、陶器製の瓦に見えますが、樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦と呼ばれる高品質の瓦です。軽量な屋根素材の「スレート」と同じ素材で作られています。
ルーガは、コロニアルと同じ「軽い屋根材」に分類されます。
重量は、金属屋根に比べるとかなり重い屋根になりますが、陶器瓦の半分の重さです。
耐久性に優れており、「割れにくい」「飛ばされにくい」性能です。このため、台風や地震対策には適している屋根材と言えます。野地板に全ての瓦に釘を打ち込み固定させるため、従来の陶器屋根に比べて、風で飛ばされにくい設計です。また、ルーガ施工時、屋根材と野地板との間に通気層が形成されることで、野地板からの湿気と断熱効果に期待ができます。
ケイミューの塗装技術、グラッサコートを採用しているため、塗膜が紫外線を防ぎ、色あせにくいという特徴があります。
ルーガには、雅(和風住宅)と鉄平(洋風住宅)の2種類のデザインが存在します。
それぞれの性質は同じですが、重量、施工方法、施工条件などが異なります。
鉄平の場合は、平たく、すっきりとした印象が特徴で、棟や軒先に使用する部材を屋根と同素材、板金(ガルバリウム鋼板)の2種類に分かれ、前者に比べ、後者の方が安く仕上げられます。
耐久年数は、約30年ですが、定期的なメンテナンスが必要です。
スーパーガルテクト(金属屋根)
スーパーガルテクトは、2022年に文部科学大臣表彰を受賞した、遮熱性、断熱性に優れた屋根材です。
表面材は、錆びにくい金属で、遮熱性塗装を施した、超高耐久ガルバを採用しています。
塗膜と鋼板の間にあるメッキ層に、亜鉛、アルミニウム(55%)、マグネシウム(2%)の成分が含まれていることで、より頑丈になっています。
メッキ量は、ガルバリウム鋼板の約1.25倍の厚みがあります。
断熱材表面の塗料は、遮熱性が高く、ポリイソシアヌレートフォームを採用しています。
断熱材は小さな泡の集合体で形成され、熱を伝えにくいガスが断熱効果をもたらします。
遮熱と断熱構造で、夏は涼しく、冬は暖かい特性を持っています。
重量は、1㎡あたり5kgで、スレート屋根に比べて約1/4、和瓦屋根に比べて約1/10と、非常に軽量です。
動物で例えると(120㎡の屋根と想定)、スーパーガルテクトが約600kgの馬、スレート屋根が約2500kgのカバ、和瓦屋根が約6000kgの象になります。
スーパーガルテクトがいかに軽量であるかが分かります。
また、金属製であることから、地震災害時に割れる心配や、屋根の劣化やひび割れが原因で発生する屋根の飛散の心配がありません。
約15年は再塗装が不要で、コストパフォーマンスにおいても優れています。
立平(金属屋根)
立平屋根は、金属屋根のことで、主にガルバリウム鋼板の屋根材です。
金属屋根の葺き方は、大きく分けて、軒に対して垂直に葺いていく縦葺きと、水平に葺いていく横葺きの2種類に分かれます。
立平葺きは、後者を指し、板金だけで構成された屋根のことで、1枚の長尺板金を縦に流していき、屋根を葺く工法です。
屋根の頂点から軒に至るまで、1枚の長尺板金で構成されているため、継ぎ目がなく、屋根材の下への雨水浸入を防止でき、排水性能は高いと言えます。
曲面にも葺けるという多様性があるため、かまぼこ屋根にも使用可能です。
立平葺きは、ハゼ葺きと嵌合式の2種類があります。
ハゼ葺きとは、板金の横端に折り曲げるしろを設け、隣接する板金とそのしろを重ねて曲げて固定します。一方、嵌合式とは、板金の横端がひし形で、隣接する板金のひし形部分とひし形を重ねてはめ込んでいくものです。
瓦棒葺きは立平葺きと異なり、凸部に心木があり固定されているのが特徴で、立平葺きは心木を使用せず、腐食がありません。また、ガルバリウム鋼板自体が、犠牲防食作用により錆の広がりを防止します。
重量は、金属屋根の中でも最も軽量で、耐震性に最も優れています。
耐久性が高く、メンテナンスコストが抑えられるのが特徴です。
立平葺きは、スレートや瓦などの屋根よりも比較的安価で工事ができ、屋根材は長尺物が多いため、施工性が良く、工期が短いです。
耐用年数は、約20年です。
上記がにこにこリフォームがお勧めしている屋根材であります。軽量かつ耐候性があり、長持ちします。屋根工事に関しては、人生の中で何回もできる工事ではないので「工事は一回、お付き合いは一生」という思いで工事しております。万が一の時は早急に対応できます。自社職人施工なのでご安心してください。屋根のことで気なる事がありましたら、ご連絡くださいね!