
~屋根板金職人は、ハサミを使いこなしてなんぼや!~
こんにちは!
にこにこリフォーム常務、屋根板金職人の岡本です。
私は16歳で屋根板金職人の世界に入りました。
今から思えば、10代の頃は本当に毎日毎日、ようこき使われました(笑)
今と昔では、職人の世界も大きく変わりました。
昔のような教え方が、すべて良かったとは思いません。
でも、そんな時代の中で必死になって覚えた技術や根性は、今でも私の体にしっかりと残っています。
そして、今の時代に「職人になりたい!」と思って、この世界に入ってくる若い子は、本当に宝やと思っています。
屋根板金職人は、ハサミを使いこなしてなんぼや!
屋根板金職人にとって、ハサミは命ともいえる道具です。
ただ力を入れて、切ったらええというもんではありません。
「刃を合わせる」
これが大事なんです。
板金用のハサミには、少し“遊び”があります。
その遊びを、手の感覚で合わせながら切っていく。
刃の角度、力の入れ方、手首の動かし方。
これは言葉で説明されただけでは、なかなか身につきません。
何回も切って、失敗して、手で覚えていく技術です。
私も若い頃は、家で新聞紙やいろいろな紙を切って練習しました。
新聞紙をチョキチョキ切っている10代。
知らん人が見たら、
「この子、何してるんやろ?」
と思ったかもしれません(笑)
でも、本人は真剣です。
どうすれば真っすぐ切れるのか。
どうすれば思った通りに刃が進むのか。
毎日いろいろなものを切りながら、ハサミの感覚を体に覚え込ませていきました。
こうした地味な練習の積み重ねが、屋根の上で板金をきれいに納める技術につながっていくんです。
10代の頃は、遊ぶために仕事をしていた
正直に言うと、10代の頃から立派な志を持って仕事をしていたわけではありません。
当時は、
「遊ぶために仕事をする!」
そんな時期でした(笑)
仕事が終われば遊びたい。
給料をもらったら遊びたい。
若い頃ですから、それも本音です。
でも、毎日先輩たちにこき使われているうちに、だんだん悔しさも出てきました。
「早く仕事を覚えたい」
「早く一人前の職人になりたい」
「いつか先輩を見返してやる!」
そんな気持ちが、私の中に芽生えてきたんです。
遊びたい気持ちもある。
しんどいから逃げたい時もある。
それでも、負けたくない。
今振り返ると、その悔しさが私を職人として育ててくれたのだと思います。
技術を教えてもらえるのは、雨の日の合間ぐらい
今のように、先輩が時間をつくって、一から順番に教えてくれる時代ではありませんでした。
晴れた日は現場が動きます。
親方も先輩も、自分の仕事で忙しい。
若い私は材料を運び、道具を準備し、片付けをする。
「見て覚えろ」
「自分で考えろ」
そんな世界でした。
先輩から技術を教えてもらえるのは、現場ができない雨の日の合間ぐらいです。
せっかく教えてもらえる時間ですから、こっちも必死です。
一回見たことを忘れないようにする。
教えてもらったら、すぐ自分でやってみる。
分からなくても、まず考える。
失敗して怒られて、また覚える。
技術を教えてもらえることが、当たり前ではなかったんです。
だからこそ、教えてもらった一つひとつを必死で自分のものにしました。
「少し仕事ができるようになった」と感じたのは21歳
私は16歳でこの世界に入りました。
そこから毎日仕事を続けて、
「少しは自分も仕事ができるようになってきたかな」
そう感じたのは、21歳ぐらいの頃でした。
5年間やって、ようやく少しです。
職人の世界は、それだけ奥が深い。
道具が使えるだけでは一人前とは言えません。
現場の状況を見て判断する。
雨の流れを考える。
仕上がりを想像する。
次の工程を考えて動く。
お客様の大切な家を守る責任を持つ。
そこまでできて、初めて職人に近づいていきます。
さらに、21歳で結婚しました。
結婚して家族を持ち、23歳ぐらいになると、自分自身の中にも少しずつ変化が出てきました。
仕事は、自分が遊ぶためだけにするものではない。
家族を守るため。
お客様の家を守るため。
そして、自分の人生をつくるため。
少しずつ、仕事に対する責任感が生まれてきました。
今、職人になろうと思う若い子は宝やで!
今は昔と違って、怒鳴られて、こき使われて、見て覚えるだけの時代ではありません。
技術は、きちんと言葉にして教える。
まずは先輩がやって見せる。
次に一緒にやってみる。
そして、本人に任せてみる。
できなければ、できるようになるまで教える。
若い子ができないことを、本人だけの責任にしてはいけません。
教える側にも責任があります。
ただし、どれだけ丁寧に教えても、最後に技術を自分のものにするのは本人です。
ハサミの感覚も、屋根の納め方も、最後は自分の手で何度も繰り返して覚えるしかありません。
今の時代に、職人になろうと思ってこの世界に入ってくる若い子は、本当に貴重です。
私は、そんな若い子たちを宝やと思っています。
だからこそ、自分が16歳から身につけてきた屋根板金の技術を、これからの職人に伝えていきたい。
昔の厳しさを、そのまま押しつけるつもりはありません。
でも、
「絶対に職人になってやる!」
「早く仕事を覚えて、先輩を驚かせてやる!」
そんな熱い気持ちは持ってほしいと思っています。
ハサミ一本にも、職人の人生が出る
屋根板金職人は、ハサミを使いこなしてなんぼです。
ハサミの音を聞けば、その職人がどれぐらい経験しているか分かることもあります。
きれいに切れた板金。
無駄のない手の動き。
雨が入らない確実な納まり。
一見すると小さな技術ですが、そこには職人が積み重ねてきた年月が表れます。
私も最初からできたわけではありません。
新聞紙を切るところから始まりました。
毎日こき使われ、失敗して、怒られ、それでも悔しくて練習しました。
16歳でこの道に入り、気がつけば屋根板金一筋。
今度は私が、若い職人に技術を伝えていく番です。
屋根板金職人になりたい。
手に職をつけたい。
本物の技術を覚えたい。
そんな若い子がいたら、私は本気で向き合います。
ただし、楽して一人前になれるとは思わんといてください(笑)
職人の技術は、一日では身につきません。
でも、続けた分だけ、必ず自分の手に残ります。
新聞紙一枚を切る練習からでもええ。
一緒に、本物の職人を目指そうやないか!
にこにこリフォーム
伊丹店代表親方・屋根板金職人
岡本 隆幸