いつもありがとうございます。にこにこリフォームの長石です。
経営の教科書と、現実のギャップ
経営の本を読んでも、コンサルタントの方のお話を伺っても、口をそろえて言われることがあります。「社長は現場から離れて、経営に専念しなさい」と。
頭では、よくわかっているつもりです。私たちのような小さな工事店こそ、社長が目先の仕事に追われていては、会社の将来を考える時間が取れなくなってしまう。だからこそ現場を任せ、経営に軸足を移すべきだという教えは、決して間違っていないと思います。
現場を離れると、何が起きるか
けれど、実際に現場から一歩離れてみると、すぐに壁にぶつかります。私が現場から抜けると、なぜか現場の流れが途切れてしまう。営業の場から離れると、見積りの精度が落ち、商談がまとまらず、成約率まで下がっていく。お客様からのご相談に、いつもと同じ熱量でお応えできているだろうかと、不安になることさえあります。
そんな数字や空気を目の当たりにするたびに、「やはり自分が動かなければ」と、また現場に戻ってしまう。しばらくすると環境が変わり、また同じことを繰り返す。これが、私たちのような小さな工事店の、偽らざる現実だと感じています。
「離れた後、何をすればいいか」がわからなかった
もう一つ、ずっと悩んでいたことがあります。それは、現場から離れたとして「では自分は何をすればいいのか」が、実はよくわかっていなかったということです。経営に専念しろと言われても、具体的に何にどう専念すればいいのか、明確な答えを持てずにいました。手が空いたはずなのに、結局は落ち着かず、現場の様子を見に行ってしまう。そんな時間を、何度も過ごしてきました。
少しずつ、社員に仕事を任せられるようになってきたこと
ただ、現場を離れたり戻ったりを繰り返す中で、少しずつ見えてきたものがあります。それは、今の社員たちに本当に必要なものは何か、ということでした。私がいなくても、お客様に同じ品質と同じ安心をお届けできるようにする。そのためには、経験や勘に頼るのではなく、誰が見てもわかる仕組みが要ります。仕事を任せるためには、任せられるだけの土台が必要なのだと、遅ればせながら気づいたのです。
そこからは、マニュアルを整え、評価の仕組みを考え、一つひとつの仕事を、少しずつではありますが、社員に任せられるようになってきました。もちろん、まだ完成にはほど遠いですし、任せた分だけ心配も増えます。それでも、社員が自分の判断でお客様と向き合い、工事をやり遂げてくれる姿を見ると、離れてみてよかったと思える瞬間があります。
これから大切にしていきたいこと
大切なのは、現場を離れるか離れないか、という二択ではないのかもしれません。今の組織に何が足りていて、これから何が必要になるのかを見越しながら、社員のみんなと一緒に育っていくこと。その感覚を、これからも大切にしていきたいと思っています。
社長が現場に戻ってしまうことも、また現場を離れてみることも、どちらも今の私たちにとっては必要な過程なのだと、最近はそんなふうに思えるようになりました。完璧な答えを急いで探すよりも、行きつ戻りつしながら、社員と一緒に、私たちの会社に合ったやり方を見つけていく。それでいいのだと、自分自身に言い聞かせています。
お客様に安心してお任せいただけるリフォームを、一人でも多くの社員が担えるようになること。それが、私が現場を離れる本当の意味なのだと、今は考えています。
振り返ってみると、社員に仕事を任せられるようになった分だけ、私自身も新しいことに時間を使えるようになりました。次の一手を考えたり、ベトナムでの取り組みに時間を割いたり、あるいはこうして自分の思いを言葉にしてお伝えしたり。現場を離れることは、何かをあきらめることではなく、むしろ会社としてできることを広げていくための一歩なのだと、今は素直にそう思えます。
もちろん、まだまだ手探りの毎日です。これからも現場と経営の間を行ったり来たりしながら、その都度、社員と一緒に一番良いかたちを探していこうと思います。
これは、私にとって大切な気づきであり、これからも忘れずにいたい思いでもあります。
今日も、社長と社員とともに、にこにこせいやで頑張ろうと思います。
にこにこリフォーム 長石 学