~屋根だけじゃない。丸鋸もノコギリも使う「多能工」を育てたい~
こんにちは。
にこにこリフォーム、屋根職人の岡本です。
今回は、伊丹市の中吉様邸で施工させていただいた、お部屋のリフォームをご紹介します。
今回の工事では、土壁だったお部屋をクロス仕上げに変更し、畳を撤去して床もリニューアルしました。
そして実は今回、
畳を撤去した後の「床の下地工事」を施工したのは、屋根板金職人なんです。
「えっ?屋根職人が床までやるの?」
と思われる方もいるかもしれません。
でも私は、
屋根板金で身につける技術は、住宅リフォームのさまざまな小工事に活かせる
と考えています。
■ 畳を撤去して、まずは床下地から
今回のお部屋は、もともと畳敷きの和室でした。
畳を撤去すると、その下には既存の床下地が出てきます。
ここから新しい床をつくっていきます。
床は、最後に貼る仕上げ材だけが大切なのではありません。
その下にある「下地」をきちんとつくることが大切です。
高さを確認する。
寸法を測る。
木材を切る。
下地を組む。
そして、仕上がりを考えて納めていく。
こうした仕事には、職人としての基本的な技術が必要になります。

■ スタイロフォームを入れて断熱性にも配慮
床下地を整えながら、今回はスタイロフォームも施工しました。
見た目だけをきれいにするのではなく、断熱性にも配慮した床づくりです。
その上から床を仕上げ、最終的にはクッションフロア(CF)を施工しました。
土壁からクロスへ。
畳からクッションフロアへ。
お部屋全体が明るくなり、お掃除もしやすい、使い勝手の良い空間へと生まれ変わりました。

■ なぜ屋根板金職人が床下地をできるのか?
屋根板金職人というと、
「金属の板を切ったり、曲げたりする職人」
というイメージが強いかもしれません。
しかし、実際の屋根工事はそれだけではありません。
屋根をめくってみると、下地の木材が傷んでいることもあります。
そんな時には、傷んだ木材を撤去して、新しい下地をつくらなければなりません。
そのため屋根板金職人は、
丸鋸も使います。
ノコギリも使います。
インパクトも使います。
寸法を測って、木材を切って、下地を組む。
その上から防水を考え、板金を加工して納める。
つまり屋根板金職人は、もともと一つの工事の中で、いろいろな技術を使っている職人なのです。
■ 屋根板金の技術は、こんな小工事にも活かせます
屋根板金の技術を身につけると、屋根工事だけでなく、さまざまな住宅リフォームに応用できます。
① 雨樋の修理・交換
割れた雨樋の部分交換や、勾配の調整など。
② 波板・ポリカの張り替え
ベランダ、テラス、自転車置き場などの波板交換。
③ 庇(ひさし)の補修
傷んだ庇を板金でカバーすることもできます。
④ 破風・鼻隠しの補修
木部の傷みを確認し、必要に応じて下地から直します。
⑤ 外壁の部分補修
傷んだ部分だけを板金や金属サイディングで補修することもあります。
⑥ ベランダ笠木の補修
雨水が入りやすい部分だからこそ、屋根職人の「雨仕舞」の知識が活きます。
⑦ 水切りなどの板金加工
現場の寸法に合わせて板金を加工し、取り付けます。
⑧ 物置・小屋の修理
屋根、外壁、下地などを総合的に補修できます。
⑨ ちょっとした木工事
木材を切ったり、下地をつくったりする技術が活かせます。
⑩ 今回のような床下地工事
寸法を測り、材料を切り、水平や高さを考えながら下地をつくる。
こうして考えると、
「屋根板金職人=屋根だけを施工する職人」ではない
ということが分かっていただけると思います。
■ 私が目指すのは「屋根しかできない職人」ではありません
もちろん、一つの仕事を極めることは大切です。
私自身も、屋根職人として長年現場に立ってきました。
でも、一つの技術を深く覚えていくと、不思議と他の仕事にもつながっていきます。
屋根を直すためには、木の下地を知らなければならない。
雨漏りを止めるためには、防水を知らなければならない。
外壁との取り合いを直すためには、シーリングも知らなければならない。
そうやって技術を広げていけば、
「屋根を直せる職人」から「家を直せる職人」へ成長できます。
私は、これが多能工だと思っています。
■ 多能工とは「何でも屋」ではない
ここは、私が職人を育てるうえで大切にしているところです。
多能工というと、
「何でもちょっとずつできる人」
と思われるかもしれません。
私は違うと思っています。
一つの本物の技術を軸にして、そこからできる仕事を増やしていく。
これが本当の多能工ではないでしょうか。
屋根板金という一本の軸を持つ。
そこから、
大工仕事を覚える。
防水を覚える。
シーリングを覚える。
外装を覚える。
住宅の構造を覚える。
すると、目の前の作業だけではなく、
「この家をどう直せば、お客様がもっと安心して暮らせるのか?」
まで考えられる職人になっていきます。
■ 職人は、技術が増えるほど仕事が面白くなる
これから職人を目指す人に、私は伝えたいことがあります。
最初から何でもできる人なんていません。
丸鋸の使い方。
ノコギリの使い方。
寸法の取り方。
下地のつくり方。
板金の切り方。
板金の曲げ方。
そして、きれいに納める方法。
一つずつ覚えていけばいいんです。
昨日できなかったことが、今日はできるようになる。
そして、自分の技術でお客様の困りごとを解決できる。
これが職人の面白さです。
■ 「岡本に教えてもらいたい」と思ってもらえる職人でありたい
私が長年、現場で身につけてきた技術を、自分だけのものにして終わらせたくありません。
成功したことだけではありません。
失敗したこと。
うまく納まらず悩んだこと。
先輩職人から教えてもらったこと。
現場で自分なりに工夫してきたこと。
そうした経験も全部含めて、次の世代に伝えていきたいと思っています。
「屋根板金を覚えたい」
最初は、それだけでもいい。
でも、せっかく職人になるなら、
「家のことなら、あの人に相談したら何とかしてくれる」
とお客様から頼ってもらえる職人になってほしい。
そして若い職人から、
「岡本さんに教えてもらいたい!」
と言ってもらえるような職人でありたいと思っています。
■ 屋根板金から、住宅リフォームの多能工へ
今回の床下地工事も、その一つです。
屋根の上で身につけた、
測る。
切る。
組む。
加工する。
納める。
という技術は、住宅のさまざまな場所で活かすことができます。
屋根板金という一つの専門技術からスタートして、
「家を直せる職人」になる。
にこにこリフォームでは、そんな職人をこれからもっと育てていきたいと思っています。
職人の仕事は、覚えれば覚えるほど面白い。
そして技術は、一生自分の財産になります。
屋根だけじゃない。
屋根板金職人だからこそ、できる仕事がある。
私もまだまだ現場に立ちます。
そして、自分が培ってきた技術を次の世代へ伝えていきます。
「岡本から屋根板金を学びたい」
「家を直せる多能工になりたい」
そんな若い職人が一人でも増えてくれたら、これほど嬉しいことはありません。
にこにこリフォーム
屋根職人 岡本隆幸